毒キノコの天然毒に苦しみ続ける
2日目 1日中、布団の中での長い、長い1日
夜中12時10分に下腹に違和感を覚え、目がさめる。下痢、それもほとんどが水。
かといって、お腹を壊したときの、キリキリと刺すような下腹の痛さはない。出すものを出したら、落ち着いてしまった。 この時点で、きのこの毒に当たったたことを確信。
再び床につく。我ながら神経がズ太いのか、元から繊細さなど持ち合わせていないのか、 すぐに眠りにつくことができた。
朝6時、また下痢、やはり水、胃の痛みが大きい。その後、2,3度トイレに行くが、ヤッパ、水。
そのかわりといってはなんだが、小便がほとんど出ない。 出てもチョロッといった感じ。
胃の痛み(鈍痛)、背中の苦しさは、治まる気配がない。 痛みをこらえたまま布団にもぐり込む。
昼近くに起き出し「とりあえず、何か腹に入れといた方がいいか」と思い、雑炊を食べる。
食後、心配していた嘔吐感はなかった。しかし、胃の痛み、わき腹(肝臓のあたり)の苦しいような感覚はおさまらない。その後、床につく。体が弱っているせいか良く眠れる。
夕方5時くらいに起き出しトイレに入るも、やはり、水。が、少し食欲が出てきたようなので、お粥を軽く一杯と味噌汁をお椀で半分。胃の痛み、わき腹の痛みは治まらない。 肩、背中にシップを張る。これは、風邪のときの自分流の治療法。
筋肉がバンバンに張ったときには、少しからだが楽になったような気がする。小便は、やはりチョロッとしかでない。 毒を出せねばと思い、2000ccのスポーツドリンクのを買ってきて、ひたすら飲みまくる。
9時過ぎに就寝、背中の苦しいような痛いような感覚は続いている。特に、胃の痛みは、胃袋を両手で揉み困れているような感覚。布団の中で、 「キノコの毒で内臓疾患になる」といったことを書いていた本があったような気がして不安になる。かといって、病院へ行けば、新聞やテレビ、ラジオのニュースになるのかな。そんなんも、ヤダしなー
あれほど、水分補給したつもりなのに、小の方は出る気配もない。これで、明日も症状の改善がなければ、 恥とか言ってられない、病院にいくしかないと覚悟を決めて寝た。
3日目 やっと快方へ
朝6時過ぎ、トイレでおならが2発出る。これで大丈夫と安心したのだが、それで下痢が収まったわけではなかった。昨日に比べれば、はるかに軽くはなっているが、胃のむかつきは、全く二日酔いのそれ、ムカムカ感でいっぱい。昼過ぎ、小便がまともな量となり、快方に向かっていることを実感。
これで、病院にいくこともないと、とりあえずは一安心。
勿論、鍋に残っていたキノコは、すべて捨てました。 わき腹(肝臓のあたり)の重苦しい痛みは結局、1週間近くひくことは無かった。
クサウラベニタケ
あのキノコは、クサウラベニタケだったようです。柄が細くて、もろいと書いてあるのだが、もろかったのは確かだが、決して細くは無かった。 プックラと太っていて、見た目、美味しそうだったからと言い訳したって始まらないわな。
素人判断で、毒キノコを食べ、運が悪ければ、この世には、いなかったかもしれない。知らないものは口にしない。鉄則です。
絶対に食用の野草と確実に判断できない植物は食べないでください。
教訓 知らざるを知らずと為す是知るなり
孔子も、こう申しております。
子曰、由、誨女知之乎。知之為知之、不知為不知。是知也。
子曰く、由、女に之を知るを誨えんか。之を知るを之を知ると為し、知らざるを知らずと為す。是れ知るなり。

知らない事は、知らないと自覚することが、本当の知るということである。という意味だそうです。
この事件?事故?は、以前、書きためていたもの。日付が、2003年9月となってました。20年前の出来事ですね。はぁ~・・・年食ったはずだわ。気がつきゃ、すっかり爺ですわ。
あれから、ずいぶん山の環境も変わりました。当時、クマ出没は山の中や、山の近くという認識だったのが、今や、街の中心部ですら、クマが目撃されることも珍しくはなくなった。
2016年の5月下旬から6月上旬に、秋田県鹿角市十和田大湯の熊取平と田代平の2地区でタケノコ採りに入山した人たちがクマに襲われ、4人が死亡し、4人が重軽傷を負った事件も起きています。
それに、イノシシによる被害までが報道されるようになってます。20年前には、とても、考えられなかった。ここいらには、イノシシは生息していなかったからね。山菜採り、きのこ狩り、残念ながら諦めざるえません。未練タラタラでは、あるんですけどねぇ。命あっての物種、とも言うしね。